歯科コラム

2025.06.18

歯医者のざんこん治療の選択肢を解説!ざんこんのリスクと抜歯、インプラントまで

著者:医療法人鳳歯会にしおか歯科医院

「抜歯って必要なのかな」「放置しても大丈夫かも」そんなふうに思って、歯の根っこが残ったままの状態を後回しにしていませんか?

実は、歯の根(残根)を放置すると、歯茎の腫れや炎症が慢性化し、細菌感染によって歯周病や顎の骨吸収など深刻なリスクを招く可能性があります。症状が進行してからでは、治療の選択肢が限られたり、インプラントなどの高額な補綴治療が必要になることもあります。

今すぐ読めば、残根処置の全体像が分かり、歯を守るために何をすべきか判断できるはずです。損をしないためにも、読み進めて確かな情報を手に入れてください。

安心と信頼の歯医者 – 医療法人鳳歯会にしおか歯科医院

医療法人鳳歯会にしおか歯科医院では、患者さま一人ひとりに寄り添い、安心して任せられる歯医者として地域の方々より信頼をいただいております。一般歯科をはじめ、小児歯科、歯周病治療、矯正歯科、インプラント、審美歯科、ホワイトニング、訪問歯科まで幅広く対応いたします。全室個室の診療室やメンテナンス専用ルームを完備し、リラックスできる環境を整えております。予防を重視し、お口の健康を長く維持できるようサポートいたします。

医療法人鳳歯会にしおか歯科医院
医療法人鳳歯会にしおか歯科医院
住所 〒819-0380福岡県福岡市西区田尻東1-15-9
電話 092-807-3748

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歯医者で言うざんこん(残根)とは?歯の根が残る状態を放置してはいけない理由

残根(ざんこん)の基本知識!どこからが危険な状態か

歯の残根とは、虫歯や外傷などで歯冠が崩壊し、歯の根っこの部分だけが歯ぐきの中に残った状態を指します。見た目には歯がないように見えることもあり、歯ぐきが腫れるまで気づかない人も少なくありません。歯科診療において、残根の存在は口腔環境を悪化させる要因とされ、早期の診断と適切な処置が求められています。

歯の構造は上部のエナメル質で覆われた「歯冠」、歯肉に埋まっている「歯根」から成ります。虫歯が進行し象牙質や歯髄を超えて感染が広がると、最終的に歯冠部分が崩れ落ち、根っこしか残らない状態になります。これが歯科用語でいう「残根」です。

ざんこんを放置するとどうなる炎症 歯周病 骨吸収のリスク

残根を放置した場合に発生するリスクは多岐にわたります。まず最も多く見られるのが、根尖部(歯根の先端)に感染を起こし、周囲の歯槽骨が溶ける「根尖性歯周炎」です。これは、目に見える腫れや痛みが出るまでに時間がかかることが多く、放置されやすい傾向にあります。

歯を失う主な原因は虫歯や歯周病が大半を占めており、残根の存在はその進行を加速させます。さらに問題なのは、残根部分が「細菌の温床」となることです。歯の根の中には神経や血管が通っていた管(根管)があり、虫歯菌や歯周病菌が侵入しやすい環境が整っています。

残根放置による主要なリスクと影響

リスク 主な症状 長期的影響
歯周病の悪化 出血・腫れ・歯のぐらつき 健康な歯の脱落リスク増加
骨吸収 CTで骨の空洞化確認 インプラント不可になる場合も
口臭・膿 持続的な口臭・膿が出る 社会生活への影響
二次感染 隣接歯への感染 複数の歯の治療が必要になる

加えて、放置による炎症が慢性化すれば、免疫力が下がった高齢者や基礎疾患を持つ患者にとって全身疾患の引き金になる可能性も否定できません。糖尿病との関連性も指摘されており、歯周病が血糖コントロールを悪化させるという報告もあります。

ざんこんと虫歯、歯槽膿漏、歯根破折との違いを整理

残根と混同されやすい疾患として、虫歯(う蝕)、歯槽膿漏(重度の歯周病)、そして歯根破折があります。これらの疾患は症状や見た目が似通っていることが多く、自己判断が難しい。

虫歯はエナメル質から始まり、象牙質、そして歯髄へと進行する病変です。一方、残根は歯冠が失われ、歯根のみが歯ぐき内に残った状態を指す。虫歯の最終段階が残根となることが多く、そのため両者は「連続性のある病変」と言える。

歯槽膿漏は、歯周病が進行し、歯槽骨が破壊され歯が抜け落ちる寸前の状態です。残根と異なり、歯冠は残っていることが多く、歯と歯茎の間に深い歯周ポケットが形成されている点が特徴的です。

歯根破折は、強い噛みしめや転倒、あるいは根管治療後の脆弱化によって発生することがあり、歯根が縦に割れてしまいます。これは残根とは異なり、外力や経年劣化によって構造的に破綻するもので、外科的な抜去が必要になります。

残根と類似疾患の違い

疾患名 主な原因 見た目 処置法
残根 虫歯の放置 歯ぐきに白い突起 抜歯または再根管治療
虫歯 虫歯菌による酸の浸食 黒ずみ・穴 詰め物・クラウン・根管治療
歯槽膿漏 歯周病菌・プラーク 歯茎の腫れ・出血 スケーリング・歯周外科
歯根破折 噛みしめ・転倒・経年劣化 歯の動揺・縦割れ 抜歯・インプラント

このように、症状の見極めと処置法の選定には専門的な診断が必要です。

ざんこんは歯医者にいくべき?保存できるケースの見極め方

レントゲン・CTで分かる残根の状態と診断基準

歯の根っこしか残っていない状態、いわゆる「ざんこん(残根)」は、見た目では判断が難しく、痛みがなくても深刻な問題を抱えているケースが少なくありません。診療現場では、歯科医師がレントゲンやCTなどの画像診断を用いて、抜歯が必要かどうか、保存できるかどうかの判断を行っています。

レントゲン画像では、歯根の長さ、周囲の骨の状態、膿の有無、歯周ポケットの深さなどを視覚的に確認できます。一方、CTは三次元で撮影されるため、歯根のひび割れや周囲の骨吸収、神経や血管との位置関係まで明確に捉えることが可能です。これにより、従来のレントゲンでは判断しきれなかった症例でも、適切な処置方針が立てられるようになっています。

歯根が短すぎる、または歯槽骨の吸収が進んでいる場合は、無理に残すことで他の健康な歯にまで悪影響を及ぼすことがあります。そのため、単に「残すかどうか」だけでなく、「残して長期的に機能するかどうか」という視点での判断が重要です。

また、診断時には患者の年齢、生活スタイル、治療へのモチベーションなども考慮されます。例えば、通院回数を最小限に抑えたい高齢者には、抜歯と義歯対応が適しているケースもあります。一方で、若年層や審美性を重視する人には、保存・再建治療を積極的に検討する価値があります。

保存治療ができるざんこんとは?再根管治療の可能性

ざんこんと診断された場合でも、すぐに抜歯が必要とは限りません。状況によっては「再根管治療」によって歯を残す選択肢もあります。特に根の長さが十分にあり、感染が局所的に留まっている場合は、歯の保存が可能なケースとされています。

再根管治療とは、以前に神経を取った歯(根管治療済みの歯)に再び治療を施し、感染源を除去して再度密封する処置です。この治療は高い技術力が必要であり、マイクロスコープやCTを使用した精密機器の導入がカギとなります。

保存可能なざんこんの条件と必要機器

判定項目 保存が可能な条件 必要な診療体制
歯根の長さ 4mm以上の根が残存 CTで三次元的に確認
感染範囲 根尖部のみに限定されている マイクロスコープで可視化
破折の有無 歯根にクラックが認められない 歯根膜の再建が可能な状態
再治療の履歴 根管治療歴が1回以下 手技の成功率が比較的高い
支台構造の安定性 ファイバーコアなど支台構造の再構築が可能 詰め物やクラウンの長期安定性を確保

ただし、再根管治療には限界もあります。特に歯根破折や複雑な根管形態、高度な歯周病を併発している場合は、長期的な保存は難しくなります。無理に残すことで、治療費や通院回数がかさむだけでなく、隣接歯への影響も否めません。そのため、医師との十分な話し合いと、必要に応じてセカンドオピニオンの活用を検討しましょう。

抜歯が避けられないケースとは?歯科医の判断基準

すべてのざんこんが保存できるわけではありません。歯科医が抜歯を選択するのは、患者の口腔環境と全身状態を踏まえ、保存が不適切またはリスクが高いと判断した場合です。ここで重要なのは「ただ歯を残す」ことが目的ではなく、「その歯が機能するかどうか」という視点での判断です。

抜歯が必要となる代表的症例

1 歯根破折が明確に確認された場合
2 歯周病による広範囲な骨吸収
3 根尖病巣が大きく、再治療の反応が悪い
4 繰り返す腫れや膿の排出
5 支台構築が不可能なほどの歯質崩壊

状況により抜歯が複雑になるケースは少なくありません。たとえば、歯根が骨の中に深く埋まっている場合や、歯根が湾曲しているケースでは、外科的な手技や切開が必要になることもあります。

抜歯の難易度と必要な処置方法

難易度分類 主な要因 必要な処置
低(通常) 歯根がまっすぐ、周囲骨の吸収進行 局所麻酔下での簡易抜歯
中(やや複雑) 歯根の湾曲、骨との癒着 器具を用いた慎重な分割抜歯
高(外科的処置) 根が深く埋没、歯根破折、難抜歯症例 切開、骨削除、縫合などの外科処置

こうした処置は、術者の経験と機材の充実度に左右されるため、医院選びが極めて重要です。治療に対する説明が丁寧で、抜歯前後のアフターケア(痛み止め処方、消毒、経過観察)がしっかりしている歯科医院を選ぶことが、患者にとって大きな安心材料となります。

また、痛みに対する不安から治療を先延ばしにするケースも見受けられるが、放置することで状況はさらに悪化します。歯科用麻酔技術の進歩により、現在では無痛に近い抜歯処置が可能となっており、早期受診が何よりのリスク回避になります。

ざんこんの治療法一覧!歯医者で行う3つの選択肢とそれぞれの流れ

残根の処置方法!抜歯・再根管治療・歯根端切除術とは

残根(ざんこん)とは、虫歯や外傷などで歯の頭の部分が崩壊し、歯根だけが歯茎に残った状態です。この状態を放置すると、感染が広がり顎骨や全身に悪影響を及ぼすため、迅速な処置が求められます。現在、歯科で選択される代表的な処置方法は「抜歯」「再根管治療」「歯根端切除術」の3つです。それぞれの処置には異なる目的と流れがあり、予後(治療後の経過)にも違いが出ます。

各治療法の特徴・目的・手順・予後

残根治療3方式の比較表

治療法 処置の目的 処置の流れ 適応ケース 予後の見込み
抜歯 感染源の完全除去 局所麻酔→歯根の除去→止血処置 歯根の保存が困難な場合 比較的安定、補綴治療が必要
再根管治療 根管の再消毒・封鎖による保存 根管内の再洗浄→消毒→薬剤充填→仮封→最終補綴 根の破折がなく再治療が可能な場合 成功率は70〜80%、再発の可能性も
歯根端切除術 根尖病変の外科的除去 歯茎切開→骨を削除→病変部と根尖除去→逆根管充填→縫合 再根管治療で治癒しない場合 高い成功率(80%以上)

それぞれの治療には、口腔内の状態や患者の健康状態、治療歴などが影響します。特に保存治療(再根管治療・歯根端切除術)は、自然歯の維持を重視する現代歯科医療において第一選択肢となる傾向がありますが、条件が揃わない場合には抜歯を選択せざるを得ません。

治療後に選ばれる3つの方法!義歯・ブリッジ・インプラント

残根を抜歯した後には、失われた歯を補うための「補綴(ほてつ)治療」が必要になります。放置すると噛み合わせや発音、審美面に悪影響を及ぼすため、早期の補綴計画が推奨されます。代表的な選択肢には「義歯(入れ歯)」「ブリッジ」「インプラント」があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

各補綴方法の特徴と、患者属性に応じたおすすめポイント

補綴治療の選び方比較表(属性別)

補綴方法 特徴 向いている患者層
義歯(部分入れ歯) 比較的安価で非侵襲的。着脱式で清掃が容易 高齢者・複数歯欠損者
ブリッジ 両隣の歯を削って固定。自然な見た目で違和感が少ない 健康な隣在歯がある中年層
インプラント 顎骨に人工歯根を埋入。長期安定性と咀嚼力に優れる 若年〜中年層・健康状態良好な人

患者がどの補綴方法を選ぶべきかは、年齢や全身疾患、口腔内の環境、ライフスタイル、経済状況によって異なります。歯科医師との十分な相談のもと、機能性・審美性・予後の安定性を総合的に判断し、最適な補綴方法を選択することが重要です。

高齢者・若年層・持病のある人に向いた治療の違いとは

患者の年齢層や健康状態によって、適した残根処置や補綴方法は異なります。特に高齢者や持病のある患者では、侵襲の少ない治療を優先し、予後や生活の質(QOL)への影響を最小限にする必要があります。一方で若年層では、長期的な口腔機能の保持や審美面を重視する治療が選ばれる傾向にあります。

患者属性別に見るおすすめ治療法

属性 処置の優先選択肢 補綴のおすすめ 注意点
高齢者 抜歯+義歯が基本。侵襲の少なさを重視 義歯(着脱式) 手先の器用さや認知機能低下に配慮
若年層 保存療法(再根管治療)を優先 インプラントまたはブリッジ 長期的な耐久性・審美性を確保
持病のある人 抜歯または非侵襲の保存療法 義歯またはブリッジ(インプラントは慎重) 糖尿病・心疾患・骨粗鬆症などによるリスク考慮

とくに高齢者では、咀嚼力の低下や義歯使用への適応力、介護環境の有無など多角的な視点で治療方針を決める必要があります。持病がある方は、医科との連携(主治医との相談)も重要です。一方、若年層ではインプラントの成功率も高く、経済的・健康的余裕があれば選択肢として最適です。

患者一人ひとりの生活背景や健康状態に合わせ、オーダーメイドの治療計画が望まれる現在、歯科治療は単に病変の除去にとどまらず、QOL全体を高める総合的な医療として進化しています。

まとめ

残根(歯の根っこだけが残ってしまった状態)は、見過ごしがちな歯科トラブルのひとつですが、放置することで歯茎の腫れや細菌感染が進行し、歯周病や顎骨の吸収など深刻な病気を引き起こす可能性があります。

「費用が高くなりそうで不安」「痛みや通院回数が気になる」など、残根治療には多くの不安が伴うかもしれません。しかし適切な処置と判断をすることで、将来的な損失や身体への影響を最小限に抑えることができます。

今気になる症状があるなら、専門の歯科医師に相談することが第一歩です。大切な歯と健康を守るために、この記事が確かな判断の助けになれば幸いです。

安心と信頼の歯医者 – 医療法人鳳歯会にしおか歯科医院

医療法人鳳歯会にしおか歯科医院では、患者さま一人ひとりに寄り添い、安心して任せられる歯医者として地域の方々より信頼をいただいております。一般歯科をはじめ、小児歯科、歯周病治療、矯正歯科、インプラント、審美歯科、ホワイトニング、訪問歯科まで幅広く対応いたします。全室個室の診療室やメンテナンス専用ルームを完備し、リラックスできる環境を整えております。予防を重視し、お口の健康を長く維持できるようサポートいたします。

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よくある質問

Q.ざんこんを放置するとどれくらいの期間で炎症や痛みが出ますか?
A.放置したざんこんは、早い場合数週間から1カ月以内で炎症を起こし始め、歯茎の腫れや痛み、膿の排出、口臭といった症状が現れます。感染性疾患の多くが根の残留状態から発生していることが示されており、歯周病や骨吸収の原因にもなります。特に虫歯菌や細菌の繁殖が進むと、治療選択肢が限られ、結果的にインプラントなど高額な処置が必要になることもあるため、早期の受診が望まれます。

Q.高齢者でも再根管治療や歯根端切除術は可能ですか?入れ歯やインプラントとの違いも知りたいです。
A.高齢者でも体調や口腔内の状態によっては再根管治療や歯根端切除術が可能です。ただし、持病(糖尿病・高血圧など)がある場合は、体への負担や治療リスクを考慮して判断されます。一方、義歯(入れ歯)は侵襲が少なく費用も保険適用可能なケースがあり、手入れのしやすさからも人気です。インプラントは耐久性や噛む力の再現性で優れていますが、費用が高額になるため慎重な検討が必要です。

Q.ざんこん治療に対応した歯医者はどうやって選べばいいですか?専門性は何を基準に見れば良いですか?
A.ざんこん治療を受ける際は、症例数の多さ、歯科医師の専門資格、歯根治療に特化した診療実績があるかが重要な判断基準です。例えば、CTやマイクロスコープを導入している医院は精密な診断が可能で、保存可能な歯を見極めやすくなります。学会所属の医師や口コミでの評価も参考になります。また、土日診療や女性医師在籍といった生活スタイルに配慮した要素も、継続的な通院においては大切なポイントです。初診前にホームページや診療案内を確認することが安心につながります。

医院概要

医院名・・・医療法人鳳歯会にしおか歯科医院
所在地・・・〒819-0380 福岡県福岡市西区田尻東1-15-9
電話番号・・・092-807-3748

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